われは海の子白浪(しらなみ)の
騒ぐ磯辺の松原に
煙たなびく苫屋(とまや)こそ
我がなつかしき住家(すみか)なれ

生まれて潮に浴(ゆあみ)して
浪(なみ)を子守の歌と聞き
千里寄せくる海の気(き)を
吸いて童(わらべ)となりにけり